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  芸をしない猫とカラス、芸をする犬|脳の比較

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芸をしない猫とカラス、芸をする犬|脳の比較

 この世には「犬派」と「猫派」が存在し、両者はなかなか譲らない。もちろん、「両方、同じくらい大好き」という方や、「どちらにも興味がない」という方も少なからずいらっしゃるだろう。

 そこで、「犬と猫のどちらが頭がよいと思うか?」と尋ねれば、猫派にとってはちょっと悔しいが、大半の方が「犬」と答えるようだ。その理由として、「犬は芸をするから、芸をしない猫より賢い」には妙な説得力がある。でも、本当に芸をする動物はしない動物よりも頭がよいのだろうか?

カラスの生きる工夫=頭の良さについて

 唐突と思われるかもしれないが、犬と猫を比べる前に、カラスの頭の良さについてまとめてみよう。カラスは飼育しても芸などはしないが、次のような賢い脳を持っている。

・硬い木の実を国道にばらまき、車にひかせてから、それを拾って食べるカラスが観察された。
・別の地域では、高いところから木の実を落として割るカラスたちも観察されている。
・レールの上に石を置いて、再三「いたずらをする」と思われていたカラスが、実はエサを隠した場所の目印としていたことが判明。
・巣作りに針金のハンガーなど、人間の廃品を利用するカラスが多く見られた。

 以上のように、カラスは環境の違いなどによって、さまざまな創意工夫をしている。一般に鳥類は「哺乳類より下等だ」と思われているが、カラスは目印として石を道具にしたり、巣作りに人間の出す廃品を利用したりしているのである。

 
 余談になるが、かつて同じ霊長類に属する人間とチンパンジーは、「道具を使うか否か」で線引きがなされていた。その後、チンパンジーなどのサル一般が何らかの道具を使うことが観察されると、道具を「作るのは人間だけだ」という理由に変わった。

 ところが、チンパンジーは木の枝などを加工し、道具として利用することが分かったのである。先入観で、動物たちの脳の性能を実際以上に低いと決めつけるのは、人間のおごりではないだろうか。

芸をする小鳥「ヤマガラ」

 ここで、「芸をする動物は頭がよい」という先入観を打ち破る例を紹介しよう。かつて日本には、ヤマガラに芸を仕込んで見世物にする文化があった。その代表的なものに「おみくじ引き」がある。ヤマガラが硬貨をおさい銭箱に入れ、社(やしろ)の扉を開けておみくじを取ってくるというものだ。もっと複雑な芸もあったそうだが、では「ヤマガラがカラスよりも頭がよいか」と問われれば、だれもがカラスに軍配を上げるだろう。

 ヤマガラはその習性が利用されているだけなのに対して、カラスは発達した前頭葉を使って、環境や状況に応じた工夫をしている。動物が芸をするかどうかは、必ずしも頭の良し悪しの尺度にはならないことの一例である。

動物の頭の良さの目安は脳の重さ…ではなく「脳化指数」

 
 かつて、人間を含む動物の頭の良さを示すバロメータとして、脳の重さを基準にしたことがあった。しかし、クジラなどの動物が人間よりも大きな脳を持つことが分かり、「体重当たりの脳の重さの比率」が新しい目安となった。

 しかし、それでもつじつまが合わなくなり、現在ではその他の要素も加味した上で、次のような「脳化指数」というものが頭の良さの目安となっている。

 〔脳化指数〕=〔脳の重さ 〕÷〔体重 〕

 これを犬、猫、カラスに当てはめていくと、次のようになる。
 ・犬(ビーグル犬) 75g÷10kg=0.75%
・猫        30~40g÷4kg=0.75~1%
・ハシブトカラス  10g÷0.6kg=0.16%
       (※参考資料/BLUE BACKS「猫のなるほど不思議学」

 意外にも、犬と猫の脳化指数はほとんど変わらないか、やや猫が高いという結果になる。しかし、犬種によっては数値が変わるかもしれない。

 犬は集団で狩りをするオオカミを先祖に持ち、グループの中で序列を作る。そのため、犬は猫よりも協調性があり、コミュニケーション能力が発達している。その点が犬の頭の良さである。

 一方、猫の祖先であるリビアヤマネコは、単独で狩りをする。何もかも自分で周囲を観察し、チャンスをうかがって、瞬時に行動を起こさなければならない。すべてが自己責任であるため、脳が発達したと考えられる。しかし、コミュニケーションに必要な脳はあまり発達しなかった。犬との違いである。

猫④ (2020年10月-02)

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(はり)を歩く●跳び乗るよりも、降りるほうが難しい

 ジンが満5歳の時、我が家はマンションから戸建てに引っ越した。これまで7階から外を眺めていた楽しみ(?)がなくなったからなのか、一階と二階の吹き抜けに渡された梁に、階段の途中からいとも簡単に跳び乗った。しばし、この上を歩いたり休んだりした後、飽きると階段に跳び降りるのだが、この時のほうが慎重になる。身を乗り出して前足を下に伸ばし、じっと狙いを定めてから下方にジャンプする。
 私も梁によじ登ってみたが、壁から手を放して1歩、歩くだけでも怖い。向きを変えて降りるのはもっと怖かった。あとで家族に怒られた。
 (JIN、満5歳)

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