外国猫と日本猫の鳴き声の違い
ノルウェージャン…の不思議
そこで、他の言語も調べてみた。すると、お隣の中国では「ミヤオミヤオ」、韓国は「ヤオンヤオン」、フランス「miaou(ミヤーウ)」、ドイツ「miau(ミヤオ)」という感じで、日本と韓国以外はほとんどの国が「ミヤ」かそれに近い発音で始まっている。どうやら日本人の耳は少数派のようだ。
子猫時代は多彩な鳴き声。やがて「ニャ~」に統一される?
それはともかく、我が家の日本猫(ジン)の鳴き声は幼い頃、その時の感情によっていろいろ変化していた。たとえば、甘えたい気分は「マオ」で、興奮して走りだす時は「モア!」と気合を入れる。また、食事を出されると「ワーン」と言って喜ぶのである。何度聞いても「ニャ」の発音は出てこない。「ニャオ」にいちばん近い鳴き声は「ナオ」である。どうも、「真央」とか「菜緒」など、今どきの若い女性の名前で鳴くことが多い。ひょっとしてこれはオス猫のせいか、などと馬鹿なことを言っているうちに、JINの鳴き声が変化してきた。去勢手術をして満1歳を過ぎた頃からである。JINは「ニャー/ニャン/ニャオン」と、由緒正しい“日本語の三段活用”で鳴き始めたのだ。
ノルウェージャンフォレストキャットの
「鳴かない」説から「キュルル」まで
ネットで調べると、ノルウェージャンフォレストキャットは「ほとんど鳴かない」とされる。しかし、我がノルウェージャンのLUNAは「クイーン」と鳴くではないか。「ノルウェーの森に差し込む月(LUNA)の光」と「QUEEN」の響きは、高貴にして幻想的…などと自画自賛していると、やがてLUNAは「キュルル」とも鳴くようになる。しかし、先のJINの鳴き声が、満1歳を過ぎてから普通の日本猫の鳴き声に変わったので、LUNAも変化するかも…と思っていた。
なぜか、悪い予感は当たるものである。1歳半頃から「キュルル」は次第に減り、「クイーン」は「ウイー⤴」に変化していったのだ。子音「K」で始まる珍しい猫の鳴き声は、もう二度と耳にすることはない。ノルウェージャンの多彩な鳴き声を、収録してなかったのが悔やまれる。
猫⑥ (2021年6月)
「三匹目のノルウェージャン」に一目惚れして…
ノルウェージャンフォレストキャットの実物を見るのは、写真のメス猫で3匹目だった。「ペットショップで、血統書付きの高価な猫を買うのは馬鹿げている」…そう思っていた私だが、もともとお気に入りの種類だった上に、毛並みも美貌も、それまで鑑賞した子猫ちゃんとは別格である。翌日、さっそく娘に話して一緒に見に行くと、しばらくじっと眺めていた娘がポツンと言った。
「他の人に渡したくないね…」
かくして私たちは、それまで口にしていた主義主張をいとも簡単に覆して、翌朝、一目惚れした子猫ちゃん(生後約3か月半)を我が家に迎えたのだった。
しかし、小躍りするような喜びもつかの間。それは先住猫JINにとっては、思いもよらないバトルの始まりであった。両者が仲良くなるまでの苦悶と工夫については、また後日……。
(写真のLUNAは満1歳3か月)
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