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名物教授を頼り、たった3分で決めた職種と会社

猥談で人気の人情教授と
地味な助手の輝く集中講義

 私の卒論を指導してくださった助教授の上に、授業中に時々猥談をすることで人気のあった、建築がご専門の教授がいた。教授のもとには真面目で勤勉な助手がついていて、ある日、教授の代役で初めて授業で講義をすることになった。テーマは「産業革命以降のプロダクト・デザインの歴史」。二日間に分けて計4時間、熱弁をふるった。

 その内容は、先の教授の1学期分の講義を質量ともに上回っており、学生たちの助手に対する評価は一挙に数倍跳ね上がった。当然ながら、猥談教授の株は下落した。しかし、皮肉にも私は、学生の評価が暴落した名物教授のお世話になることになったのだ。

「就職浪人」の偽装対策。楽しかったアルバイト

 卒業後、私は事実上「就職浪人」になったが、体裁を整えるため「専攻生」という身分で、学部に籍を置くことにした。就職対策の意味もあるが、孤独を避けるという動機のほうが大きかったかもしれない。

 実際、親しかった2年後輩とその友人3人での、夜間のアルバイトは楽しい思い出となった。仕事はヤマザキパン工場でのベルトコンベア上の単純作業だが、時々こぼれ落ちるパンをつまみ食いするなどの「特典?」もあった。あの頃、作っていたパンが、いまだに名前も変わらず店頭に並んでいるのを見ると、ン十年前が懐かしくなる。ヤマザキの菓子パンは、私の中では今でも一番である。

電話に出ている間に目を通した
ディスプレイ・デザイン会社のパンフレット

 さて、学生たちの評判は散々だった先の教授だが、頼られれば面倒見はよい。一方、助教授はいかにも頭の回転がよいタイプで、授業は明快かつ面白かったが、個人的に頼れるタイプの先生ではない。ニコニコしながらも意外に冷たいのだった。

 そこで私は、腹の中では少々バカにしている人情教授の下に足を運ぶことにした。事情を話し、ご紹介いただける企業がないかを尋ねると、「こういうのはどうかね」と1冊のパンフレットをテーブルに無造作に置いた。それはディスプレイ・デザインという、私が考えたこともない分野だった。

 私がパンフレットを開いた直後に電話があり、教授は2~3分電話で何やら話していた。パンフレットには、デパートの売り場やブティック、レストランなどの写真があり、魅力的な看板のデザインも見られた。

 『そうか、電飾の看板デザインなども面白そうだな…』などと考えていると、電話が終わったようで、「どうかね、この会社は?」と、説明もなくいきなり結論を迫る。
 「ちょっと興味があります」と思わず口走ってしまった私……。

 結局、その場でパンフレットのディスプレイ会社(デザイン・設計部門)を受けることが決まった。その会社の社長は同じ大学・専攻の卒業生だというので、コネ就職かと思ったが、作品を持参のうえ、筆記試験と面接があるという。少々焦ったが、作品に関しては先述の助手が面倒を見てくださった。かくして、「たった一人の入社試験」を切り抜け、無事入社することが出来たのだが、すでに卒業後3か月が経過していた。

仕事④ (2020年12月) 

 (つづきは後日)                      仕事③へ戻る

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