小論文の採点基準―意外に高い「主題の評価」
小論文やそれに近いものは、大学入試や就職試験のように、課題として出されて採点されるものと、投稿作品に対して賞が与えられたり、掲載されたりするものがあります。それらがどのような評価基準で採点され、あるいは選出されているかを知ることは、文章修行の参考になるでしょう。
まず、採点される場合ですが、これは大学と企業で考え方が異なる上に、同じ大学入試でも基準はまちまちです。しかし、大きく分ければ次の四点が考えられます。異なるのはこれらのウエイトがどの程度かということだけです。
(一)主題について…明確性、独創性
(二)論理について…一貫性、全体のまとまり
(三)国語力について…正しい文字、正確な言葉の使用、
(四)文章表現力について…構成、段落、平易性、明瞭性
意外に思うかもしれませんが、文章の評価において「主題」はかなり重要なポイントとなっているのです。そこで、小論文のテーマが一般的にはどのように評価されるのかを考えてみましょう。
まずは、主題の明確性、つまり言いたいことがはっきりとしているかということです。「あれもこれも」と欲張ると、どんなに素晴らしい知識がそこに詰まっていても、「この人の頭は整理されていない」と受け取られてしまうのです。主題を具体的なものに絞り込み、そこから外れた文章素材は書きたくても捨てることが大切です。
次に、選んだ主題は独創的であるかどうかが問われます。ユニークな視点から選ばれた、借り物ではない主張や考え方が評価されるのです。もちろん、ユニークと独善は違います。そこは論理展開の過程でおのずとはっきりしてくるでしょう。
主題の独創性は、投稿作品においてはとりわけ重要になります。だれもが思いつく一般論を書いても、高い評価を得るのは難しいのです。
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