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手紙の書き方―手紙の役割と基本構成

  ①手紙には、相手や用途に応じた書き方がある     ②縦書き手紙の基本構成
  ③横書き形式(ビジネスや社会性のある案内状など)

デジタル時代だからこそ、手紙の役割は大きい

 ケータイやパソコンで気軽にメールが送れる現代では、手紙はあまり書かれなくなりました。しかし、改まった場面では礼儀として、手紙を書かなければならないこともあります。もちろん、メルアド交換もなく、気軽に電話をする間柄ではない場合も、手紙が選ばれます。さらに、会社関係や各種団体からのご案内等も、手紙というアナログ・メディアが必須です。

 手紙は「データ」ではなく「もの」として手元に残ることから、受け手への心理的インパクトが強く、書き方次第では相手の心を動かす大きな力となり得るものです。それだけに、単に手紙の形式(構成)のみに気を奪われるのではなく、「相手の心を動かす文章」を心がけたいものです。

手紙には、相手や用途に応じた書き方がある

 手紙には後で説明するように、頭語から始まって前文、本文、末文、結語など続く決まった形式があります。さらに縦書きと横書きでは少しばかり異なるところがあります。これらを厳格に守ろうとすると、たとえば時候の挨拶を入れるだけでも書き慣れない人にとっては頭痛のタネになります。

 しかし、純粋にプライベートな手紙では、それらの形式を厳格に守る必要はないでしょう。相手と自分の親密度の度合いや、手紙の内容次第で形式的な部分は変わってくるのです。逆に、あまりに格式ばった手紙は、親密な関係の中ではよそよそしく感じさせるものです。

 また、形式通りに書く場合でも、例えば時候のあいさつで、「早春の候」(3月)、「菊薫るこの頃」(10月)などの古めかしい決まり文句で始まるのでは、いかにも形式的な印象を与え、気持ちが伝わりません。自分の五感を通して感じた季節感を表現するのがよいのです。そこで、次のようなやわらかい文に変えてみたらどうでしょうか。

  「梅のつぼみがふくらみはじめ、ようやく春めいてまいりした」
  「さわやかな秋晴れが続いていますが、皆様いかがお過ごしですか」

 視覚的なイメージがふくらみ、堅苦しさがなくなりますから、読む人は自然に文章の中に入っていける感じがしませんか。

 なお、ビジネス関係や企業をはじめとする団体名での各種案内状などは、横書きが普通で、ひな形通りに作成したほうが受け取る側も見やすく、また信頼感につながります。また、前置きは短いほどよいでしょう。次に、縦書きと横書き、それぞれの手紙の基本構成を説明します。

縦書き手紙の基本構成

 日本の手紙は昔から縦書きで、次のような文章構成を基本としてきました。差し出す相手との関係や目的によっては多少の省略はあるにしても、この完成された基本形式はしっかり頭に入れておいたほうがよいでしょう。

①頭語

 相手への呼びかけの言葉で、一般的には「拝啓」が使われます。
 親しい間柄や、用件のみを伝える場合は、「前略」になります。
 また、改まった場合には「謹啓」が使われますが、個人間の場合は、かなりへりくだった表現となります。
 次に返事を書く場合ですが、「拝復」が一般的です。続いて、「お手紙拝見いたしました」などと書きます。「復啓」もありますが、実際にはあまり見かけません。

②前文

 本文(用件)に入る前の挨拶です。時候の挨拶安否伺い自分の安否を書くほか、感謝やお詫びの言葉を述べることもあります。
 一般的には、時候の言葉に続いて相手の安否への気遣いの言葉を述べ、本文に入るパターンが多いようです。できるだけ短い言葉で、本文につなげたいところです。
 前文は次のような場合には省略して、本文から書き始めます。それは急用の手紙や死亡通知、お悔やみの手紙、災害見舞の手紙などです。

③本文

 手紙の目的、本題の部分です。前文のあと改行して一字分空け、「さて」「この度は」「ところで」「実は」といった言葉で用件に入ります。これらの言葉を「起こし言葉」といいます。
 本文で書く要件は、あらかじめきちんと整理しておき、簡潔にまとめるようにします。

④末文

 締めくくりの挨拶です。手紙の用件によって変わってきますが、相手を気遣う言葉返事を求める言葉、手紙の要件に関して重ねて念を押す言葉などがあります。
 前文同様、長すぎると本文がぼけてしまいますから、簡潔に終わらせるようにします。

⑤結語

 頭語と対になる言葉で、手紙の最後に書くあいさつです。「拝啓」「謹啓」に対しては、「敬具」「敬白」、「前略」に対しては「草々」が使われます。また、女性文では「かしこ」が一般的です。

⑥後付

 結語の後に改行して日付(上方)、さらに改行して署名(下方)、最後の行の上方に宛名を書きます。宛名は通常、姓名を書きますが、目上の人には姓だけを書くのが正式とされます(目上とはどの程度? 堅苦しく考えず、柔軟に考えましょう)。

 なお、姓のみの宛名の場合、尊敬の念を表わす言葉として、宛名の横に「侍史」「貴下」などの言葉を添えることがあります。これを「脇付」と呼びますが、あまりに格式ばっていて、個人間ではむしろ滑稽です。

⑦添え書き

 本文で書き忘れたことを付け加える場合や、本文とは関係ない別の用件をついでに添える場合に書きます。通常、「追伸」という言葉の後に用件を書き、3行以内で収めるようにします。
 なお、添え書きは、慶事や凶事の手紙には書かないこと。また、目上の人にも書くのはよくないとされています。

横書き形式(ビジネスや社会性のある案内状など)

 ビジネス文書や案内状、招待状などのお知らせ文書は、横書きで作成するのが一般的になってきました。それに伴って、個人間の手紙でも横書きが増えています。パソコンで手紙を書く人が増えていることも、それに拍車をかけています。手書きの暖かさと、活字の読みやすさと、どちらも一長一短です。

 ちなみに筆者はたったの一通でも、宛名と署名以外はパソコンで手紙を作成することが圧倒的に多くなりました。字が下手で書き損じが多く、時間がかかること、それとデザインを重視するためです。手書きならすべて縦書き、字数の多い手紙はタイピングで横書き、はがきはタイピングでも縦書きと決めています。

 横書き形式(主にビジネス文書や案内状)では、次のように縦書きの「後付」の部分を最初に持ってきて、「前付」とします。その他、「タイトル」が入ることを除けば同じです。

①前付

 日付(右上)、宛名(改行して左側)、署名(改行して右側、ビジネス文書では会社名も)の順に書きます。なお、親しい間柄のプライベートな手紙ではこれにこだわらず、柔軟に考えてもよいでしょう(たとえば、日付と署名は後付にするなど)

②タイトル

 ビジネス文書や各種行事・催事の案内状では、前付と頭語の間に手紙の目的である「タイトル」が入ります。位置は決まっていませんが、頭を数文字分空けるか、中央合わせにするのが普通です。個人間の手紙ではタイトルは不要です。

③頭語 ④前文 ⑤本文 ⑦末文 ⑧結語

 頭語から結語までは縦書きの場合と同じです。

⑨添え書き

 ビジネス文書や各種案内状の場合は、「添え書き」の部分が最も重要で、行の真ん中に「」と書いて、その下に例えば案内状なら、実施される日時や会場、住所などを書きます。また、個人間の一般的な手紙なら「追伸」として、必要なら2~3行入れます。

  つづく 手紙の書き方―心を動かす文章

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