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文章講座2〔7章〕 魅力的な文章の書き方>魅力的な文章に書き直す方法

魅力的な文章に書き直す方法 ―リライト例

 文章の書き出しは大切です。冒頭から数行読んでも、何が言いたいのかがわからない文章は、読者を疲れさせます。特にエッセイの場合は、書き出しで、その人らしさが伝わらないと、読者は読んでくれないでしょう。

 “反面教師”として、次のエッセイをご覧ください。そして、できれば問題点を考えてみてください。あとでリライト(添削・書き直し)例も示します。途中で読むのがいやになったら(私も読んでいて疲れましたので)、飛ばして下の解説に進んでください。

【リライト前の文章】


 ある経済情報のテレビ番組で、最近のお葬式事情を伝えていた。大きな流れの一つは、国内組に対し、外資(主にアメリカ)の攻勢が始まっているという情報で、今までの高額で不明朗、不満の多いやり方に対し、外資の、安価で適切な費用、生前に充分な説明、話合いの下契約しておく方法が紹介されていた。こだわりを持たなければ、生前予約は合理的で適切。いずれは、こちらが主流になるのではと思われた。
 もう一つの流れは、旧来の画一的なやり方に対し、故人の人となりが偲ばれるような個性的で、その人に相応しい演出を提案するものだった。

(中略)

……ある中高年の男性が亡くなり、お兄さん夫婦が式を執り行う。葬儀社の担当者は比較的若い女性で、彼らしい式を演出しようと、彼の生前を取材していく。しかし、相応しい演出がなかなか思い付かない。悩んで取材し続けている内、彼は大学時代、グリークラブのメンバーだった事、カラオケが好きでスナックでよく歌っていた事を知り、ようやく彼に相応しい演出を見出す。式当日、当時のメンバーに集まってもらい合唱で彼を送るという演出で、遺族も出席者も感動し、満足していた。

(以下省略/50代の女性・会社員)   書き出しのリライト例へ
 ※上の原稿は、文章講座のために知人等を通して依頼したもので、未発表のものです。リライト依頼をされた原稿の一部が公表されることは、1行たりともありえません。

読みづらい理由―読者が共感できる書き出しを

 まるで取材記事のような書き方ですが、この先を読むとどうやらエッセイのおつもりのようです。文章は割としっかりしていますが、読むのに苦痛を感じた方も少なくないはず…。

 このエッセイの言わんとすることは、
「故人の人となりが偲ばれるような個性的で、その人に相応しい演出を提案する葬式に好感を持った」
ということです。そして、
「どんな生き方をしてきたのかが問われる時代になった」
という、少し気取ったオチで締めくくっています。

 
 それにしても、テーマが見え始めるのが遅すぎると思いませんか? 最初の数行には、読者が共感する要素がまったくありません。それもそのはずです。原文では最も書きたいこととは別の、様々な葬式事情の分類のようなものが延々と続いているのですから…。

 もしも、この文章がエッセイではなく小論文だとしたら、どうでしょうか? 論文では最初の部分でテーマの提示ないし結論を述べるのがセオリーですから、冒頭から事実の羅列が延々と続く原文はやはり問題があります。エッセイなら自分の体験や気持ち、論文なら自分の主張する考えを早い段階で述べるのが、文章構成の基本です。

 では、書き出しはどうすればよかったのでしょうか? もしも彼女が、実際に型破りの葬式に出たことがあるなら、そこから書き出すべきでした。また、実体験がなく、テレビで見ただけのものだとしても、最も印象に残った葬式の様子から書き、早い段階で感想を述べるべきでしょう。

 冒頭に持ってくるべき内容の文章は、中頃に見つかりました。

【書き出しのリライト例】

 先日、テレビで変わった演出の葬式を見た。故人が学生時代に所属したグリークラブ(男声合唱団)のメンバーに集まってもらい、合唱で送るという趣向である。旧来の、お坊さんがお経を唱えるだけの葬式しか経験してない私には、実に新鮮な映像だった。遺族や出席者も感動し、満足していた。
 この演出に至るまでには、葬儀社の若い女性担当者の並々ならぬ苦労があったようだ。……(以下略)

 このように、エッセイはいちばんおいしいところから書くのです。自分が最も感動したことから書き始めなければ、読者は興味を持ってくれませんし、言いたいことも伝わりません。文章のテクニック以前の問題といってよいでしょう。

 ただし、おいしいところから書くといっても、いきなり書き始めるのは唐突過ぎる場合があります。上の添削例ではそれを避けるために、一行目は「先日、テレビで変わった演出の葬式を見た」と、さりげない短文で始まっています。次に、どんな型破りの葬式であったかを書き、一段落してから、そのような演出になったいきさつの説明に移るわけです。

 原文ではこの部分(中略のあと)でも、先にいきさつが長々と説明されています。これが会話だったら聞き手は、「いったい何が言いたいの?」と焦れてしまうでしょう。

 「最も感動したところから書き始めたら、あとで書くことがなくなってしまうのではないか?」
 そう考える方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、心配はいりません。そのほうが筆が進むのです。エッセイには自然にほとばしり出る勢いというのも大事ですから。関連する話題を一つ、二つ述べてから、結び(またはオチ)で冒頭の素材に戻り、自分の感情や思想なりを述べるという流れが自然です。

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冒頭の約2000字を削除し、3分の1の長さにリライトした話

 長年、テキストや書籍、あいさつ文などのリライトをやっていると、原文をかなり読み進んだところで、書き始めに相応しい文が見つかることがよくあります。

 極端な例では、ある大学教授のあいさつ文をリライトしたときに、原文を冒頭から2千字余り削除してしまったことがあります。

 そのそもこの文章はA4判1枚とお願いしたはずなのに、びっしり3枚も書かれたものが送られてきました。しかも、一般社会人向けなのに難解な言い回しの文が多く、いちばん言いたいことがなかなか出てきません。2枚目の途中でやっと面白そうな記述が見つかったので、そこから書き始めて、全体の文章を3分の1に縮めることにしました。もちろん、難解な印象を与える漢語をできるだけ大和言葉に直したり、長すぎる文を2分割して簡明にしたりする作業も欠かせません。

 冒頭の2千字の行方ですが、後半の内容と重複気味の部分が多かったので、部分的にも生かす場面が見つからず、全面削除となってしまいました。

 この大胆なリライトは、教授のプライドをいたく刺激したのではないかと、少し心配だったのですが、丸く収まってほっとしたことを覚えています。

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