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 アマ5級の父から教わった超ヘボ碁時代

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アマ5級の父から教わった超ヘボ碁時代

 今回は将棋をお休みして、囲碁の話をしよう。私が碁を覚えたのは中学2年の頃で、父から強制的に教えられた。父は小さな職場で30代半ばに碁を教わり、当時、5級に近づいている頃だったと推察される。碁があまりに面白くなってきたため、家でも相手が欲しかったのだ。

 星目風鈴(十三子の置碁)から始めて、置石が九子になるまでは比較的早かったと思う。星目で少し停滞したが、連勝できるようになると、八子局も初めからいい勝負になる。しかし、七子局で停滞した。置石(ハンデ)1子が1級差だから、10級を突破するにはまだ時間がかかりそうな状況である。

 それまでただ碁を打ち続けるだけで、何も教えてくれなかった父だが、しびれを切らしてついに序盤の打ち方を教えてくれた。といっても、「指導者」は推定アマ5級のレベルである。ほとんど陣取りとして効率の良さそうな手しか教えられない。石が接触した後の戦い方は、失敗を繰り返し、試行錯誤の中で身につけるしかなかったのだ。

父の虎の巻発見! 碁の美しさを知る

 
 それでも、3年生になってから置石は五子に減った。ようやく推定10級くらいの棋力となり、何とか「碁らしい形」になってきた頃のことである。ふとしたことから、私は父の「虎の巻」を発見したのだ。それは影山利郎六段(当時)という棋士の、分厚い置碁(ハンディキャップ戦)の本だった。生まれて初めて見る碁の教科書である。5級の父が読む本だから難しいのでは…と思ったが、九子局から四子局までの布石が中心であるため、手順と形がすんなり頭に入った。理屈以前に正しい形(=美しい形)が脳裏に焼き付くのは、十代の特権である。この時期を逃すと、上達に多少時間がかかることになる。

高校受験を控えた私に変わって、弟が父の相手に…

 中3の10月頃から高校入試準備のため、父との対局は休みの日以外はしなくなった。そこで、父は5つ年下の弟に碁を教えようとしていた。弟は飽きっぽく、あまり熱心に碁をしなかったが、それでも小学4年生である。理屈よりも直感で形を覚えていく年頃なので、いつかは追い越されるのではないかと思っていた。

囲碁➀(2021年2月)

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