猫がかわいい5つの理由(眼、鳴き声、肉球…)
そこで、「分かり切っている」と言われそうだが、猫がかわいいと思う理由を考えてみたい。例えば「なぜ猫の目はかわいいのか」というようなことだが、これは人間の顔で考えると納得がいく。
①つぶらな眼、妖しく光る瞳、多彩な色
子猫の写真集がよく売れる理由は、何といってもあのつぶらな眼にある。眼の色が、ブルー、グリーン、アンバー(琥珀色・ゴールド)、カッパー(赤みを帯びた茶色)と多彩なのも魅力の一つ。また、特殊な例だが、レッド(先天的に色素が欠乏したアルビノ種)やオッドアイ(左右が異なるブルー&ゴールド)などもある。猫の顔がかわいいのは、小顔の中に占める目の面積が大きく、その位置が顔の真ん中付近にあるからだ。プロの描いた幼児の顔のイラストを見れば、そのことが納得できるだろう。
子猫時代の愛くるしい眼は、成猫になるにつれて妖しく光るようになる。雄雌に関係なく、女性的なセクシーさを漂わせながら甘える姿に、「猫好き」はますますメロメロになってしまうのだ。
②高音域の弦楽器のような鳴き声。ゴロゴロ音の癒し効果
猫の鳴き声はすべてこれらに当てはまる。猫が人間と共生を図るうえで、鳴き声は重要な手段の一つである。何千年という長い年月をかけて、猫は人間にとって心地よい鳴き声を獲得したに違いない。
猫は鳴き声だけでなく、ゴロゴロと喉を鳴らす音も心地よいものである。特に膝の上でゴロゴロを奏でられると、もうたまらなくいとおしくなる。このゴロゴロ音は人間にとって癒しになり、ストレスの解消になるが、実は猫にとっても免疫力を高める効果があるのだそうだ。
③ぷにゅぷにゅの肉球は猫のシンボル・マーク
猫関連の用品を探していると、肉球のイラストをよく見かける。まさに猫のシンボル・マークと化した肉球だが、見た目にかわいいだけではない。触ってみるとぷにゅぷにゅと柔らかく、実に気持ちがよいのだ。猫ちゃんのほうも気持ちよさそうにするが、あまり喜ばない猫もいる。我が家の2匹目の猫ちゃんも、最初は少し嫌がったが、無理をせず少しずつ慣らしていった。自由に触らせてくれるようになると、信頼関係が築かれたようで嬉しいものである。
④さわり心地の良い毛並み。お好みの毛色は…?
慣れてくるとあごをなでさせてくれ、気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らすこともある。なでるほうもなでられるほうも気持ちがいい。また、豊富な毛色も魅力で、特に日本猫はミックスも含めて選択肢が広い。
全身が単色の猫は白猫、黒猫、グレー猫の3種と少なく、茶トラ、キジトラ、サバトラや、それらに白色が混じった模様の猫(三毛も含む)が多い。また、サビと呼ばれる特殊な模様の猫や、トビ柄、薄模様と他の色が混じったものもあり、猫の毛色は色彩の組み合わせも含めると実に多彩だ。同じ種類でこれほど多彩な色・柄の毛色がある動物は存在せず、猫の魅力の一つとなっている。
⑤猫同士と同じように人と接する、対等な関係
猫は人間と体形がかなり異なるのに、なぜか「自分を人間と同類だと思っている」フシがある。例えば、猫に顔を近づけると、猫同士がするように鼻をつけてくるし、猫の前で立ち止まれば、足首やふくらはぎに体をこすりつけてマーキングをする。「対等な関係」だから、猫は犬やイルカなどの動物のように、エサ欲しさに芸をすることもない。猫が餌に釣られない理由は他にもある。それは犬が、食料は食べられるときにあるだけ食べてしまう習性があるのに対し、猫はある程度おなかが満たされたら、後で食べる習性があるからだ。単独行動の猫と、集団行動のオオカミがルーツの犬との違いである。
犬派の人が猫も好きになるコツは、猫に自己同一化することかもしれない。猫のかわいさも魅力的だが、猫的な性格(自己中心的? よく言えば自立心が強い)を受け入れることが、猫派にもなる第一歩である。人間同士でも同じことだが、支配する側とされる側は、どちらも「相手に依存している関係」と言うことができる。「対等」とは依存しない自由な関係のことではないだろうか。
猫⑤ (2020年11月)
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毛布と造花と猫
部屋の模様替えの最中の写真である。興味津々のジンは、とりあえず脇によけた毛布を見逃さず、ちゃっかりと定番のポーズでくつろぐ。色彩的に面白そうなので早速カメラを向けると、慣れたものでカメラ目線となる。精一杯いい顔をした一枚を選んだ。(JIN、満5歳)
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