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  潜在意識に導かれた転職|専攻分野の雑誌編集に

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潜在意識に導かれた転職
    ー専攻分野の雑誌編集に

 大学卒業後、最初の就職先を2年足らずで退社した。ディスプレイ業界で働くのが嫌になったからだが、何をしたかったのかというと、はっきりとは決まっていなかった。

 グラフィックデザイナーの道は、考えないわけではなかった。先に会社を辞めて再就職した、チーフデザイナーの先輩を訪ねれば、ほぼ採用が決まるだろう。でも、グラフィックには自信がなかった。先輩に迷惑をかけてはいけない…。

 今思えば、やめることを決意した時から、潜在意識ではもう進むべき道が決まっていたのかもしれない。それは、卒業論文を書き終えた頃にさかのぼる。

2年前の「助手の一言」が時限爆弾となって、
私を編集に導いた

 
 卒論の審査には、専門分野ごとに教授・助教授の2名が審査することになっていたが、2人の助手も読んでくれた。その際、一人の助手が長々と感想を述べた覚書を書いてくださり、もう一人の助手は面談の際に次のような感想をポツンと漏らしたのだ。

「編集者なんか向いているんじゃないかな…」

 2年を経て甦ったこの言葉は、私の強力な心の援軍となった。新聞の求人欄を開くと、「デザナー」の文字は目に入らず、「編集者募集」の文字が自然に飛び込んでくる。中途採用なので、大手の出版社は皆無だが、会社の規模とか条件にこだわらず、自分の得意領域の本を刊行している出版社に応募しようと決めていた。そして、ほどなく「編集者募集」の見出しの下に、「デザイン」「インダストリー」「雑誌」…という活字を見つけたのだ。

望外の雑誌編集の仕事に就ける

 こうして1か月のブランクもなく、従業員十数人の小さな出版社に再就職した。そこで「デザイン&インダストリー」という月刊誌の編集部員として働くことになる。編集者としては全くの素人だったが、自分が大学で勉強してきた分野であり、文章力にも自信があったので、何の不安も感じなかった。最初の2週間は、別の部屋で雑誌とは無関係の印刷物の校正や、写真の返却などの雑用をさせられたが、焦りを覚えた記憶はない。早く雑誌の編集に関わりたいとは思ったが、「何か事情があるのだろう」くらいに思っていた。

編集の仕事って何するの?

 ここで編集という仕事の具体的な内容や進行をご存じない方のために、当時の業務を時系列に箇条書きしておく。

雑誌の記事の内容を「連載物」と「特集記事」に分けて、企画案を出し合い、決定する。
決定した記事の具体的な内容を詰めた上で、専門家等への原稿依頼や取材(社内原稿)の担当者を決め、予定表を作る。
全ページの台割り(どのページに何が入るか)を決定する。
原稿が入り次第、内容をチェック(校閲・校正)して、写真やイラストなど必要な資料を手配またはチェックする。
完全原稿と画像がそろい次第、レイアウト(割付)をする。表紙のデザインも決定。
レイアウトがある程度まとまったら、順次印刷に回す(広告原稿も同様)。
活字になった原稿の校正を行う(二重・三重チェック)。さらに再校・三校へと進む。
最終的には印刷所に出向き、出張校正をして校了(あとは印刷・製本を待つのみ)。

註:現代では文字原稿(データ)から図版、レイアウト、製版まで全てPC上で制作するため、手順やデスクワークの内容は多少異なる。

仕事⑦ (2021年6月) 

 仕事⑧ 雑誌編集方針の転換、広告部との確執。そして、得たものは…
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